アシッド映画館 2003.1.11

『運命の女』 『至福のとき』 『T.R.Y.』

◎先生 ○鳥居さん ◇自分の感想 ・・・：雑音混信で聞こえなかった所

またまた天気のせいか(雪が降ってきた)、混信＆雑音ヒドイ。半分は聴こえず。

■オープニング

◎2003年、明けて、お正月映画皆さんご覧になられてるでしょうか。
◎自分なりに期待している映画が当たったら大きいし、ガックリ来る場合はお金返してくれ、となるだろうし。まあ、でも自分が観たいなと思う映画を観て、どう思うか、も映画の醍醐味。あまり期待せずに観て当たったら喜びが大きい。「いいよいいよ」と聞いていてさらに良かったらそれもうれしい。
◎「いいよいいよ」と聞いていて、最近見て釘付けになった映画があるんです。
◎先生、最近けっこうあるよね。
◎鳥居さん、ボクは最近ホントに機嫌がいい。
◎いい映画に出会ってるからね。
◎2003年、年末からだけど、試写会で拝見した映画、当たり、当たりのオンパレード。
◎あー、それはうれしい話だなあ。
◎ホントに生きてて良かった。またこんな素晴らしい映画に出会えた。まだ出てくるか。
◎思う思う。いい映画を見たあとは。映画を見てて良かったと思うよね。
◎これが毎日のように続くんですよ。
◎うれしいねえ。
◎新春第1回目で2003年を占うということで、ちょっと話した『至福のとき』や『007』新作。それをも凌駕するような、僕の人生を、運命を変えてしまうような、一本に出会った。
◎2003年のベスト10には入ってくるね。
◎2003年ベスト10、第1位は決定です。
◎早いな。
◎前回、『殺し屋1』にものすごい感動した、と言った。観た人の中では、「全然分からない」「グロいだけや」と意見はあった。ボクにとっては、体の中の血が震えるのを感じた。「おー、来た来た来た来た」体全身から揺さぶりをかけられているような。
◎でも、これから紹介する次の映画。タイトルまだ言うてへんよ。
◎2003年1年間をかけるよ、って映画ね。
◎ボクの血液どころか、細胞の中が震えてるのが分かる。ミトコンドリアがガガガガガって振動するのが分かった。グワーッと熱気と蒸気が体中から沸いてきて、細胞活動してるよー、みたいな。
◎久しぶりやな、先生。高校のとき女の子を見つけたときの感覚やろ。
◎それはね、その後が大事やんか。確かに出会ったときにオーッて思うけど、話してるうちに、なんやしょーもな、とか、思ったら、その細胞は急速に活動を停止するわけ。
◎でも、この映画は観てる最中から、ミトコンドリアが、ヘモグロビンが一生懸命酸素を運ぶのが分かるわけ。
◎中盤で、映画が終わってほしくない。このまま続け、と。
◎終わっても、ヘモグロビンが、ミトコンドリアが動いているのが分かる。
◎その一本が、『猟奇的な彼女』
◎なんですってよ。みなさん。
◎これは「いい、いい」と聞いてました。
◎韓国で2002年のサマーシーズン6週連続第1位。500万人を動員。韓国のラブストーリーでは空前のヒット。
◎「猟奇」だから、どちらかというとおぞましい感じ。怖い映画化と思いきや、もう、これがホントに素晴らしい。ホントにカワイイと思えるラブストーリー、ウマイと思える映画。
◎感傷的に走らずに観客を楽しませるその要素。
◎猟奇的な彼女とある男の子が出会う。そのデートをいつまでも見ていたい。
◎人のデートを(笑)。
◎12時間時代劇とかやってるやん。やめて。これをいつまでも流して。
◎ヒロインのチョン・ジヒョンちゃん。まだ名前覚えてません。でも、もうこの女のために2003年生きようと思いました。
◎彼女が一番、と。
◎ダコタ・ファニングちゃん1/1モデルと言っていた自分が恥ずかしい。聞かれてたらどうしよう。
◎聞かれてないわ、そんなこと。
◎恥ずかしいこと言うてしもた。
◎先週や、先週。
◎いや、ホントにこの映画、素晴らしかったわー。
◎ホンマに内容が素晴らしかったんやろな。彼女が良かっただけちゃうやろな。
◎違う違う。ボクも色んな女性の好みがありまして。
◎広いよねー。
◎幅広いです。ストライクゾーンいろいろあります。でまあ、基本的に好きなのは、ちょっと気キツい系の女の子。ジョイ・ウォンとか、後藤久美子とか。キツそう。惹かれるものがある。
◎いろいろある中、いちばん下は78くらいのおばあちゃんまで、広いですけどモ。
◎このチョン・ジヒョンちゃんは、超ど真ん中ストライク。僕の心をズコッと抜きましたね。
◎彼女の顔がとかじゃなくて、この映画に出てるヒロインにボクは恋をしたって感じかな。
◎ほぉー、へー、恋をしたんや。
◎近々公開なので、改めて紹介する。特に男の子に観てほしい。ふつうの男の子に。観たら、間違いなく彼女に恋をする。恋愛をするというのは、こんなことなのか。と、恋愛マスターの俺が、新たな恋愛マスターの道を目指そうというくらいに、来たわけよ。
◎「猟奇的な彼女」要は、エキセントリックで、行動は突拍子も無く、急に殴ったり、すごいことをするわけ。「何時に、どこどこへ来て、来てくれないとぶっ殺すわよ」という感じで、クッとにらみよんねん。
◎「かわいい！これが。ぶっ殺されたいの。何度でもぶって！」みたいな。俺はイタイ男か、ホンマ。
◎違うわ、先生。今年、新たな恋愛の形が生まれたんじゃないの？
◎それは、ボクが殴られたり、しばかれたり、縛られたりするのが、いいと思ってるんじゃないの？
◎そういうのもね、やってみようかなって、ちょっと思ったんちゃうの？
◎違うんですよ。むっちゃん、この映画を見てないからね。やっぱり、恋を分かってないわ。
◎それ、恋をわかってないのとは違うからさ。
◎先週くらい、このチケット発送して、この試写会に当たった方。そのチケットはどんなことがあっても行ってほしい。有効に使ってほしいなと思う。
◎何か、この年末年始、おすぎとピーコさんを山ほど見てんけど、今目の前にいるような気分。
◎(笑)あのね。ほんとにね。こんな言葉になりそうな。「なんてカワイイの」
◎映画会社の人に気持ち悪がられた。「どうしたんですか？」
◎ほんとに、何回でも観ていける映画。
◎おりしも2002年、「少林サッカー」を春頃に見て、3ヶ月間言いつづけてきました。
◎今回はあんまり公開まで日が無いから、3ヶ月とは言いませんが、毎週にわたって。この『猟奇的な彼女』を応援していきたいと、思う所存であります。

◎さあ、そんなボクの思いのたけをぶちまけてるだけではいけません。先週もチラッと言いました。
◎「アシッド サントラハウス エピソード3」実施が決まりました。あまりまだ、メッセージが来ておりません。3通くらいしか来てない。人気があるのか分からない番組。
◎ホームページのほうもパッと行きにくくなって。盛り下がってる感じかなあ、みたいな。ここでみんなの元気がほしいわけよ。
◎欲しい欲しい。
◎ホントに3人の方だけのリクエストで終わっちゃうかもしれません(笑)。
◎ぜひ、みなさん。お好きな一曲。
◎特にね。キーワードは「恋愛」にしましょう。
◎(笑)いややわ。このひと。ええやんか、別にほかのんでも。
◎ええよ。「でも先生、恋愛わかってないわ」という人から、「お前はこの恋愛を見ろ」みたいなメッセージを含めて、お待ちした稲と思います。
◎普段のアシッドでは新作が中心なので、旧作とかまで話を膨らますことが出来ない。いい機会なので、メッセージをいただきたい。
◎1月19日(日)夜9時からの放送。
◎お早めにリクエストをお寄せください。

■『運命の女』

◎あのー、この年末年始おすぎさんをみて、とおっしゃってましたけど、「なんてカワイイの」と言ってしまう、ボクをある種、女に変えてしまったのが、実はこの『運命の女』という。
◎女に変えてしまったん、あなたを。
◎女に変えてしまいました。
◎「なんって素晴らしいの、この映画」
◎いややわ、この人。気持ち悪いわね、あなた。
◎この映画を見て、愕然とした。これが女心か。
◎そうなんかな。私には全然分からへんかったけど。
◎男だわ。やっぱり。
◎先週でも、チラッと話しとけばよかったというくらい、この映画に出会ってから、ズッコンズッコンにハマりました。
◎ダイアン・レインに心底ほれてしまった。と思っていた矢先。
◎先日発表になった全米批評家協会の賞で、グランプリ、作品賞等4部門は『戦場のピアニスト』。ロマン・ポランスキーの新作で、すっごいいい映画でしたけど。で、主演女優賞を、このダイアン・レインが『運命の女』という映画で受賞。
◎ひょっとしたら、今度のオスカーレースに絡んでくるかも。
◎確かに体当たりな演技ではありましたよねえ。
◎大本命かどうかは別としても、ひょっとしたら、ノミネートされる5人の中に入ってくるかも。
◎でも、ボクは映画を観た瞬間にそれを察知しました。
◎彼女は、もちろん、おっしゃられるように、大胆な演技、性描写も含めて、すごく挑戦してます。
◎でも、映像に見える、大胆で、ある種過激な女性を演じている、というよりも、彼女の情念みたいのをこの映画にみた。
◎確かに。よく演じてらっしゃいましたよね。
◎なに不自由なく、ごく普通に。普通よりはちょっといい暮らし。だんなリチャード・ギア。子供にも恵まれ、ニューヨークの郊外に一戸建てを買った。平平凡凡のダイアン・レイン。
◎朝の身支度から始まる。買物に出かける。そこに恐るべき強風。「あーれー」といわんばかりに、風に流され、荷物が飛んでいく。コケて、ヒザをすりむく。車をとめようとするけど、なかなかイエローキャブは止まってくれない。
◎そこに、一人の若い青年。だんなとは全然違う甘いタイプ。フランス人の男。濃い顔。「大丈夫ですか？怪しいもんではないですし。傷の手当てしましょう」すごく親切心。
◎そこで、タイトルにある「運命」。傷の手当てを受けるか、イエローキャブを待つか。彼女が選ぶのが・・・。
◎傷の手当てをする道を選ぶ。はやく家路に急がなければならない。なんとなく、運命のいたずらを感じていたのか。彼女はドキドキ。カメラがフォーカスアップしていく。
◎トイレで手当て。消毒しようかと足をかけた便座があがってる。ハッとする。ここは男の人の部屋なんだ。女の人がドキッとした瞬間を確実にアップで、女心のときめきを表現する。
◎彼と手を触れてしまったときも、手がアップ。随所にアップアップが多用される。女の人が、全然そんな気無しに上がってんのに、ドキドキしていくかという高揚感を見事に見せる。
◎全然そんな気無しに上がってるわけ無いやん。
◎違う。あれは違う。そんな気無かった。
◎いや、絶対無い。
◎でも、女の人には、そんなことがあるんだと知ってしまったときの、ボクの運命は変わりました。
◎ホントにコイツ恋愛マスターちゃうわホンマに。
◎ボクはこの映画を見てて、完璧にダイアン・レインになってたね。だから、電話番号のメモ渡されて、また電話しようかな、ピッピッピッ。やめとこ、ガシャッ。ああ、でも、ピッピッ、ああ、ガシャン。のやりとりとか。とっても細やかなところ、エイドリアン・ライン監督が描き出していくわけですよ。「ウマイ！」って思って。これぞ、演出や。
◎ちょうどこれと同じ日に、『ギャング・オブ・ニューヨーク』を観た。なんて演出の無い映画なの、と。
◎スゴイ二本立てやったね。
◎朝一番に『ギャング・オブ・ニューヨーク』をものすごい中で見て、ただ長いだけやん、ってゲンナリしてた日に『運命の女』を観て、『ギャング・オブ・ニューヨーク』が飛んでいった。
◎なるほどね。ま、強烈な映画であることは確かですよね。
◎見てる最中に、それこそ俺の気分が高揚してきて、ウワーッて思って。こういうことなのか、恋愛って言うのは。
◎絶対違うと思うよ。この映画を観て、エイドリアン・ラインの演出とか、細やかな女性の表現とか、セックス描写であるとか、ダイアン・レインの演技とか、素晴らしいとこはいっぱいあるよ。でもね、何てったって観てて許せへんのは、ダイアン・レインていう女が不誠実。それがなんてったって許せない。最たるもんは、恋人にプレゼントを渡す。そのプレゼントが、リチャード・ギアが結婚何周年かにダイアン・レインに渡した映画によく登場するアイテム。水が入ったガラス玉。ひっくり返すとキラキラ雪が降るようになる置物。それをよ、恋人にプレゼントしてるんですわ、この女。信じられへん。マンハッタンの店で買うたモン渡しいや。ええんか？それも置き物やで。うれしいか？余りにも、今の生活を軽んじすぎてる。
◎だけどそれは、順調に手に入ってきたが故の・・・
◎そのね、重みをね、感じなアカンわ。人間。
◎それは彼女が、「Unfaithful」(原題)を体験したことによって、初めて知ったというものではないの。
◎でも、余りにも失ったものが大きい。映画としてはインパクトすごくあるし、面白い映画だけど、私は女として、この女は許せない。あー、これを見て、「女ってコワイ」とか言われると、すごく心外。
◎男から見た女像。監督が男だけあって。でもボクは、ダイアン・レインの気持ちで観ていた。確かに今あるものも、これから手に入れようとするものも、あっちもいいけど、こっちもいい。和食もいいけど、中華もちょっと食べてみたい。電車の中の帰り道、突如ワンワンと泣き出す。喜びとも悲しみともつかぬ涙。普通の演技では出来ませんで。
◎演技では、素晴らしいと思うよ。
◎それを見た瞬間に、この映画は、なんて女心を描いているんだろう、と。
◎描いてない。全然、描いてない。ある意味、人間の気持ちを描いているかもしれない。でも、主人公に共感できない。
◎共感したらえらいことで。ある種仮想の、映画の中の世界として受け止めたときのときめいた自分。ま、鳥居さん、あまりときめいたことが無いと思いますけど。今までの人生で。
◎何でやねんな。あなた。
◎(笑)
◎ちゃうちゃう。そういうことや無いねん。
◎エイドリアン・ライン、『危険な情事』というエポックメイキングな作品を生み出してから、いろいろと映画を作ってきたけど、ここへ来て完成したな、と。演出として。もう、映画の途中まで、ものすごい。出会いがあって、恋が盛り上がって、事件があって。事件になったとたん、観てる人のテンションがシュワシュワと下がっていくけど。映画を見てる最中、隣の女の人の手をいきなり握ろかな、みたいな。
◎そういう衝動にはね。ホントにスゴイ衝撃的な映画なんですよ。
◎試写室の前に女の人が座ってて。結婚してるんだけど、思わず耳に息吹きそうになった。
◎アカンわ、この人。内輪ではやめてね、ややこしくなるから。ホンマに。
◎なかなか、ボクと鳥居さんの間には埋まらない川があるようですが。
◎皆さんはどう感じるでしょうか。男性と女性では違うのかも。
◎今日から公開。これはぜひとも見ていただいて。ときめいていただきたい。
◎しかし、エイドリアン・ラインって、女に恨みでもあるかと思いますよね。変わった女性しか描かないもんね。
◎変わった女好きなのかも知れないね。ひとつの欲望がどういう風に描かれるか。

■『至福のとき』

◎今日はお勧めばかり。ちらっとこの前話して、それ以上言うな、と。
◎これ以上聞きたくない人は、スイッチ切ってください。
◎今日は寝ていただいて結構です(笑)。
◎伊藤さんも、途中で出て行くといってました。ディレクターなのに。
◎そういう声も。観る楽しみを置いておくという意味で、細かいところまでは言わない。

◎チャン・イーモウをずっと観つづけてきた。彼を評して、どんだけコン・リーが好きだったか。破局を迎えてから、コン・リーの幻影を追い求めていた。素人の娘、そこにもコン・リーの面影。ほんまに立ち直れない。と思っていた。
◎『初恋のきた道』まだ観てない。いずれレンタルで。そして『生きる』という映画。大傑作を生み出してきつつ。
◎そんなに期待をしなかった。理由の一つに、製作総指揮エドワード・R・プレスマン、アシッドでは詐欺師と命名。カプコンから多額の金を吸い上げて、いい家、いい車を買ったのでは。いい映画を作ろうとする気があるのか。
◎でも、ホントに涙が止まらなかった。ラストだけでなく、中盤も。泣きだけではなく、笑いも。寅さんか、というくらい。
◎(笑)いいねえ。

◎主人公、いいおっちゃん。結婚せなあかん。知り合った天童よしみそっくりなオバチャン。お付き合いをしよう。強欲ババア。おっちゃん、嫌われたくないから、口八丁手八丁。
◎天童よしみそっくりのオバチャンが、自分の家で預かってる目の見えない女の子を引き取ってくれ。
◎おっちゃん、ホテルの経営者や、と大ボラ。じゃあ、マッサージ師として雇ってくれ。
◎というのが、導入部。
◎彼女に嫌われる＝オバチャンに嫌われる。なんとしても、彼女を幸せにせなアカン。
◎おっちゃん、仲間うちを使っていっぱいウソをつく。
◎そこで笑い笑い。だからこそ、ほんの少しのところが何倍にもなって泣けるようになる。

◎チャン・イーモウ。最初は中国のニューウェーブ。開放されて無い中国。国を変えてやるんだ、というメッセージ。
◎この映画にはそれがぜんぜん無い。評論家の先生は、根性が無くなったという人も。
◎違う。背負うものがなくなったから、いい映画ができた。

◎ストーリーを聞くじゃないですか。1人の女の子をみんなで幸せにする映画。良さそうだなあ、と思った。でも、一応、欲があるねんな。結婚したいという欲が。なるほどねえ。
◎それは最初だけ。それが変わってくる。そんな欲なんか気にならないくらいに。行きがかり上、そうせざるを得なくなった。
◎この、おっちゃん。アホ。アホさが観客の心をつかんでいく。
◎出てくる人の中の一人に自分がなったよう。みんなが出すアイデアもボケボケ。吉本新喜劇のような展開。
◎だからこそ、しまるとこがしまる。

◎新人の娘。顔がフッと変わる。ウマイ！表情の変わり目がこの映画を言い表している。
◎確かに、チャン・イーモウは女の子の選び方がうまい。

◎『運命の女』『至福のとき』この2本だけはどんなことがあっても外さないでほしい。

■一曲

◎『運命の女』からオリジナル・サウンドトラック。作曲はあまり知らなかったのですが、ポーランドの有名な作曲家。
◎ピアノが多用。ピアノ・バージョンのメインテーマ「アンフェイサフル」

■『T.R.Y.』

◎今日はもう一作品、新作。
◎主演：織田裕二、監督：大森一樹。紹介は以上です。
◎(笑)それは、想像どおりということ？
◎いやいや。全力を『猟奇的な彼女』『運命の女』『至福のとき』にかけてしまったので。ボクはいま「至福のとき」ですから。
◎東映が一生懸命やってはんねんから紹介して。

◎織田裕二演じる天才的詐欺師が主人公。世のため人のためにお金を還元しよう。ねずみ小僧的。強気をくじき、弱気をたすく。
◎清朝の革命に巻き込まれる主人公。お前の力が必要だ。俺には無理だ。
◎友情が芽生えつつ、敵をみて、立ち上がっていく。
◎日本・中国・韓国を含め、アジアのスタッフが総結集。
◎規模は大きいですよね。戦前の上海。各国が覇権をめぐって、魑魅魍魎がうようよ。その中で1人の天才詐欺師が活躍する。

◎彼自身がどういうテクニックでだましていくかに興味。『スティング』をイメージ。
◎最後の大勝負にかけたときの大どんでん返し。観客も、出演者もだまされるくらいの爽快感があってこそ。修正残るくらいの名作になると思って、見に行ったんですが・・・。

◎映画としては、よう出来てんねん。退屈せずに観てられる。
◎大森さんのゴジラのときのインタビュー。「いつか『ダイ・ハード』みたいのを作りたいんだよ」と言っていたら、『ゴジラ』のオープニングで、まんまパクッていた。ぜんぜんオリジナルなところが無いって話はした。これはアカンちゃうの？という印象だった。ゴジラのときは。
◎この映画は、そういうところは無い。オリジナリティを目指そうとしているところは感じられた。
◎引き込まれていく。だからこそ、どんでん返しが楽しみになっていくのに、大仕掛けのどんでん返しがどきどき間に今ひとつ結びついてない。
◎ですねえ。

◎映画として、もっと目も当てられない映画じゃないか、と恐る恐る観た。失礼ながら。
◎でも、それが無かったからすごく安心した。
◎詐欺師の映画っていってるんだから、もっとドキドキさせないと、口コミ・評判は広がっていかないんじゃないか。

◎織田裕二さんファンは見に行くだろうけど・・・。なるほどー！っていうのが欲しい。
◎織田裕二っていう俳優は、すごくがんばってる。
◎『ホワイトアウト』超大作。日本版大ハード。原作もファン。映画としては及第点。
◎でも、人物がどういう位置関係にいるか、どうスリリングに作戦が進められていくか、全体が見えない。

◎だから、織田裕二という人は、映画監督とちゃんと仕事をしようと思って仕事に挑んだのではないか。『T.R.Y.』では映画的なものを目指してるのが分かる。
◎だから、演出にまでアイデアを出したのではないか、というくらい、いい顔をしている。何の問題も無く楽しめるんだけど。
◎そやったら、今ひとつ突き抜けるものが無いと。

◎あれ、何でなんでしょう。上海の郊外にものすごいセットがある。もともとはスピルバーグの『太陽の帝国』。今どんどん拡大している。いわゆる映画村。1920年代の上海の町並み。たとえばハリウッド映画でセット作って、町を映して、だったら、本物に見える。ところが、この映画では、役者がやってるのにしか見えない。
◎革命に絡んで大群衆。顔が俳優。当時の人の顔ではない。そのために集められた、俳優さんです、エキストラです。演出なのかな。
◎笑い話だけど、『ゴジラ』昔のは必死で逃げてた。最近になると、半笑いの人も。それこそ『至福のとき』のように「俺は『ゴジラ』に出てるー！」という顔。ワンシーンのために映画の雰囲気が壊れてしまう。
◎この映画見ながら、つくづく思った。バーテンがコントの人みたい。ナインティ・ナインがシェーカー振ってるみたい。演技は普通にしてるねんで。なんなんでしょう？不思議。そんなことを感じさせてる段階で弱いのかな。

◎失礼ですけど、思ったよりはできてた。
◎一歩突き抜けたところに、これからつながっていくのかどうか。『踊る大捜査線』の続編にどうつながっていくのか。

◎来週はレンタル映画館。オープニングで死ぬほど紹介した『猟奇的な彼女』のヒロイン。チョン・ジヒョンちゃんにくぎ付け。この映画に出て新人賞を受賞した映画。結構評判もよく、ベスト10にも入れてた人もいた『イルマーレ』
◎『イルマーレ』ファンの方。チョン・ジヒョンちゃんを考えていきたい。
◎考えんの？

■スキャンダル

◎リスナーから。朝刊を見て驚いた。『ロード・トゥー・パーディション』撮影監督のコンラッド・Ｌ・ホール死去。にすべてを注ぎ込んだ。
◎年末は映画史を支えてきた人の訃報が相次いだ。ジョージ・ロイ・ヒル監督とか。
・・・
・・・得点を獲得・・・・・怖いですねえ・・・
・・・
・・・ジョージ・クルーニー・・・ド派手なハリウッド・・・
・・・『ロード・オブ・ザ・リング』すごいですねえ・・・・・
・・・年明けには伝わってきた・・・・盛り上がるかも・・・
・・・
・・・「サントラハウス」・・・感想でも結構なので・・・
◎恋愛物がいいのね。
・・・

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